負けられない戦いがここにある!開票速報の見どころ解説
ついに今日、(それぞれの政党・候補者にとって)負けられない戦いがキックオフ!
そして投票終了後の今夜は、各テレビ局やラジオ局が「開票速報」なる試合結果についての報道をおこないます。
ということで、今回はスポーツ番組風に選挙の開票速報で見るべきポイントを解説します。
1.注目数字①「233」
まず押さえておきたいポイントが、「233」という得点数をクリアできるチーム(政党)があるかどうか。
この「233」というのは、衆議院のメンバー(議席)の過半数を指します。
過半数のメンバー数をおさえることができると、その政党は法案の審議だけでなく国政のあらゆる面で優位に立つことができます。というのも、今回選挙をおこなっている衆議院には「衆議院の優越」というものがあるのです。
これは、「予算の議決」「条約の承認」「内閣総理大臣の指名」について、衆議院と参議院の議決が異なった場合、衆議院の議決が国会の議決になると定められたもの。
日本は「衆議院」「参議院」というふたつのリーグで国政をおこなっていて(二院制)、通常は両方のリーグで多数決の結果が「賛成」とならないとその案は成立しません。しかし、過半数を取ることで認められる3つの優越事項については、衆議院で可決、参議院で否決となったうえ、両リーグの話し合いである「両院協議会」でも決着がつかない場合は、衆議院の決定である「可決」をもって国会が「可決」したと認めることになるのです。
つまり、万が一衆議院と参議院で異なるチーム(政党)がトップの議席数となってしまった場合、衆議院の過半数をゲットしているチームの意志を国政に反映することができるということ。
そのため、同じ考えを持つ政党があわせて233議席を取ることができるかどうかで、今後の政治の行方が決まるのです。この議席数を獲得するチームがあるのか、あるいはそれを阻止するチームがあるのかが注目されるところです。
また、過半数を大きく超えて「310」議席を獲得するチームが現れれば、今度はすべての法案について衆議院の優越に基づいて成立させることができるほか、憲法改正の発議をおこなうことができるようになります。これもまた阻止するチームが現れるか、注目されています。
2.注目数字②「244」「261」
この「244」「261」は、それぞれ「安定多数」「絶対安定多数」と呼ばれる数字。
これは、国会の運営をどれだけ自分のチームの意向に基づいてできるかというものを左右する数字です。
日本は議員が全員集まっておこなわれる「本会議」と呼ばれる大きな会議の前に、委員会と呼ばれるテーマごとの小さなリーグに分かれて議論をおこないます。ニュースで「衆議院予算委員会でナンタラカンタラ」と言っているのを聞いたことはありませんか?
「予算委員会」はその名前の通り、国家の予算に関わる事柄について検討するリーグ。他にも「総務委員会」「安全保障委員会」など、全部で17の小リーグが設けられています。この委員会のなかで承認された案だけが、本会議に進むことができます。
全員が集まって議論をする会議は、小リーグを通過した案だけが進むことができる、プレーオフのようなものと言えるかもしれません。このようなシステムを「委員会中心主義」といいます。
委員会のメンバー数は、国会で各チームが持っている議席の割合に応じてチームごとに分配されます。そして、17すべての委員会で同じチームのメンバーが議長を含めて過半数を取ることができるようになることを「安定多数」、議長を含めずに過半数を獲得することができるようになることを「絶対安定多数」というのです。
本来は絶対安定多数を獲得していると、そのチームがリードして委員会の議論を進めることができます。ただ、もしある議決で賛成と反対が同数になってしまった場合には、その委員会の委員長が最終的な決定を下すことが認められているので、安定多数でもそのチームににとって安定した議論を進めることができるというわけです。
例え全体で過半数を獲得していても、委員会という小リーグの戦いを通過しなければプレーオフに進むことはできませんから、この「安定多数」「絶対安定多数」という数字が重要になってくるのですね!
3.さいごに・・・
今回は選挙で注目される3つの数字をご紹介しました。
各メディアがおこなう開票速報では、今紹介した内容を含めて選挙にまつわるさまざまなワードが解説されることと思います。また、最近の開票速報には候補者を公私にわたっていろんな角度から紹介するなどマラソン中継ばりの多様さで、ただのニュースとは一味違った内容になっているものもあります。
「見たい番組が見れない!!!!!」と嘆くのもいいですが、大好きな番組を中止にしてくれた宿敵(?)をちょっとだけ覗いてみると、もっと政治に興味がわいてくるかもしれませんね!
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